どうやってレザー(革)へ刻印できますか?

真鍮製の金型を用いて、主に、以下5つの手段で革の表面に刻印を施すことができます。

①押印・・・・・・・革の表面に凹みをつける

②打刻・・・・・・・革の表面に凹みをつける

③焼印・・・・・・・革の表面に焼き跡をつける

④型押し(素押し)・革の表面に凹みをつける

⑤箔押し・・・・・・革の表面に箔を転写する

①押印
刻印(金型)の上から圧力をかけて、革の表面に凹みの跡を残す方法です。C型クランプやプレス機等をご使用いただくことで、鮮明な印面デザインでも、確実に加工を施すことができます。植物タンニン鞣しと相性が良く、革を水で湿らせ、柔らかくした上で締めつけると、比較的綺麗に凹みの跡を残す事ができます。

②打刻
刻印(金型)の裏面に、打刻棒を取り付け、上から木槌等で叩いて革の表面に凹みの跡を残す方法です。押印と同様に、植物タンニン鞣しと相性が良く、革を水で湿らせ、柔らかくした上から打刻すると、より綺麗な凹凸の跡を残す事ができます。

③焼印
はんだごてや、卓上ホットスタンプ機等の加熱工具に刻印(金型)を取り付けて加熱し、革の表面に「焼き跡」を施す方法です。押印や打刻とは異なり、刻印(金型)を加熱する必要があります。

④型押し
革の表面に凹みの跡を残す方法です。焼印と同様に刻印(金型)を加熱した状態で作業を行います。打刻や押印では加工しづらい、比較的柔らかいクローム鞣革との相性が良い加工方法となります。

⑤箔押し
革の表面に、箔を転写する方法です。焼印や型押しと同様に、刻印(金型)を加熱した状態で作業を行います。
卓上ホットスタンプ機(YLT-SP01)を用いることで、効率良く作業を進めることができます♪

【素材の種類について】
ひとことでレザー(革)といっても、種類は膨大で、動物から爬虫類まで様々です。また革には、鞣(なめし)と呼ばれる染色や化学的な加工を施す工程を経る為、それぞれ特性があり、その特性が、刻印手段との相性に大きく影響します。
そこで、主要素材「仕上げパターン」の相性が分かる一覧表を以下のとおり作成してみました。

お持ちの革、あるいは製作を予定している素材等と照らし合わせ、どの刻印手段(焼印・箔押し・型押し・押印)が、素材に適しているか、今一度ご確認ください♪

なお基本的に、エナメルやプラスチック素材へは、当店の商品で刻印を施す事ができません。加熱すると素材が溶けてしまいます。


また、段ボールへの刻印も当店の商品では施すことができません。

段ボールは、内側が波打った形状となっている為、金型を押し当てても反発し跡が残りません。


合皮であれば、柔らかく表面が滑らかな素材に限り、温度調節機能がついた加熱工具を用いて「箔押し」を施すことができます。ただ、素材自体が溶けてしまう恐れがある為、焼印・型押しには不向きです。

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当店では、オーダーメイド刻印(金型)の製作に加え、革への「焼印・箔押し・型押し・打刻」にご使用頂ける、刻印専用の工具も取り揃えております。


 ・打刻棒

 ・焼印(直火)スティック

 ・はんだごて(60W

 ・はんだごて(YLT-HS01

 ・卓上ホットスタンプ機(YLT-SP01

以下、『商品別対応工具一覧表』をご参照の上、刻印(金型)のサイズとご希望の仕上げパターンに応じて、必要な工具をお選びください♫

それぞれの『仕上げパターン』について詳しく教えてください

①【押印】

刻印の上から圧力をかけて、革の表面に凹みの跡を残す方法です。

後ほど説明する「打刻」と同様、表面に傷跡が残りやすい、主に植物タンニン鞣し革等に施せる仕上げパターンです。

比較的小さなサイズの刻印であれば、以下のように、目打ち台等を刻印(金型)の上に乗せて、ハンドプレス頂くことも可能です。

ただこの手段は、小さなサイズの刻印(金型)に限ります。

大きなサイズの刻印(金型)ほど、より圧力が必要となりますので、圧力が足りない場合は、市販の万力(C型クランプ)やプレス機をご使用ください。

② 【打刻】

刻印の裏面に打刻棒を取り付け、上から木槌等で叩き、革の表面に凹みの跡を残す方法です。押印と同様に、傷跡が残りやすい、植物タンニン鞣し革等にご使用頂けます。クロームなめし革やコンビなめし等には不向きです。

表面が硬い革は、革を水に濡らし、柔らかくしたうえで打刻してください。

印面のデザインによっては(特に塗り潰しが広範囲にわたるイラスト等)、圧力が足りない場合があります。そのような場合は、市販のC型クランプや、プレス機等で締め付けて押印ください。

【種類】
 ・ノーマルサイズ(全長4.5cm x 直径1.2cm)
 ・ノーマルサイズ(全長8cm x 直径0.8cm)
 ・『大』サイズ(全長8cm x 直径18mm)

各打刻棒の推奨刻印サイズにつきましては、別表の『商品別対応工具(機種)一覧』をご参照ください。

※推奨サイズを超える刻印(金型)を取り付けて頂くことも可能ですが、刻印と打刻棒との接触面が狭くなる為、繰り返しお使い頂くと、刻印自体の歪みに影響する場合がありますのでご注意ください。

③【焼印】

革の表面に「焼き跡」を施す方法です。

押印や打刻とは異なり、刻印を加熱する必要があります。


革への焼印には、「はんだごて」や、「ホットスタンプ機」等の加熱器具を使うのが一般的です。


加熱器具が準備できたら、刻印(金型)を取り付け、約300度前後に加熱します。

刻印の温度が設定温度に到達したら、レザーに押し当てて表面に焼き跡を残します。


なお、焼き色加減は、設定温度や押し時間で調整します♪

④【型押し】

革に表面に、凹みの跡を残す方法です。

焼印と同様に、刻印を加熱する必要があります。

この場合も「はんだごて」「ホットスタンプ機」等の加熱器具を使うのが一般的です。


加熱器具の準備ができたら、刻印(金型)を取り付けます。

刻印の温度が約110〜150度に到達したら、レザーに押し当てて、表面に凹凸をつけます。


なお「型押し」と比較的“相性が良い”素材は、表面が柔らかめの革となります。


したがってクロムレザーは全般的に相性がよく、また植物タンニン鞣革の場合は、油分を多く含む柔らかい革が型押し加工に向いています♪

ただ中には、植物タンニン鞣革でも、表面が固く、ハリのある革もあります。

この場合、2〜3cm程の小さな刻印(金型)であれば「はんだごて」や「ホットスタンプ機」でも問題なく型押しできますが、大きい刻印(金型)の場合は、圧力が足りず、綺麗に凹みが出ない場合があります。

そのような場合は、「万力(C型クランプ)」での押印や、「打刻棒(大)」で、打刻を施す方が、かえって楽に、そして効率良く、凹みの跡を残せる場合があります♪

⑤【箔押し】


革の表面に、箔を転写する方法です。


こちらの方法も、焼印や型押しと同様に、刻印を加熱する必要があります。


そして一般的には、「はんだごて」や「ホットスタンプ機」等の加熱器具を使い、箔押し加工を施します。


またこの際に用いるのが、専用の『箔』です。


この加飾シート(箔)の表面には、粘着材が敷かれている為、加熱された刻印が接触する事で、革に箔が転写されます。

「箔押し」と比較的”相性が良い革”は、表面が滑らかな革や、シュリンク系で、且つ柔らかい革となります。


また型押しとは異なり、素材自体が固く、ハリのある植物タンニン鞣革でも、表面が平らであれば、ホットスタンプ機を用いて箔押し加工を施すことができます♪


一方、同じく硬い素材で、深い溝(シワ)のある革には不向きです。溝の奥に箔が転写されない為、表面の箔が割れてしまいます。


既に型押し加工が施された革で、同じく深い溝がある場合も同様に不向きです。

『素材』と『仕上げパターン』の“相性”については、以下一覧表をご参照ください♪

『はんだごて』と『ホットスタンプ』どちらが良いですか?

はんだごてはコンパクトで、持ち運びも楽です♪

そして最大のメリットは、ホットスタンプのように、作業台に加熱器具が固定されていない事です。

その為、「大きいも」のや、「すでに仕上がったもの」で、ホットスタンプでは加工しにくい箇所へ加工する際にお使い頂けます♪

また、直立に真下へしか圧力が加えれないホットスタンプと比べ、はんだごては角度をつけて多方向から圧力を加えることができます♪

ただ、はんだごてにはいくつかのデメリットもあります。

まず、はんだごては筒状の為、刻印の大きさによっては、温度調整が必要となります。

そしてYLT-HS01(はんだごて)の場合、コテ先は直径38mmです。

その為、面からはみ出るサイズの刻印を取り付けると、どうしても、はみ出た部分から熱が奪われる為、高めに温度設定するなど調整が必要となります。

また腕を使ってスタンピングを行う為、定めたところにうまく加工が施せるよう、繰り返し練習する必要もあります。

一方で、卓上ホットスタンプ機(YLT-SP01)には、広い面の加熱プレートが付いており、この鉄製のプレートに刻印を取り付けてご使用頂きます。

また加熱プレートは横幅13cm x 奥行き10cmと広範囲の為、比較的大きなサイズの刻印(金型)を取り付けることができ、また均一に効率よく熱を伝える事ができます♪

その為、大小異なるサイズの刻印と取り付けても、はんだごてのような温度の調整が不要となります。

ホットスタンプは、作業台と加熱プレートが、支柱と一体型になっている為、定めたところへ正確に加工を施す事が出来ます。

また『同じ位置に繰り返しスタンピング』ができるので、加工ミスも防止でき、断然効率よく作業をこなすことができます♫

更に、オプションパーツを取り付けることで、他にも様々な場面で、用途に合わせてご活用いただけます♪

見積書/請求書/領収書/納品書は発行してくれますか?

はい、各種発行致します。

ご希望の商品名と数量、また宛名と但し書き等、必要事項をご連絡ください。PDF形式で作成し、メール致します。

【適格請求書の発行について】
当店は免税事業者の為、適格請求書発行事業者には登録しておりません。したがって、各書面には適格請求書発行事業者登録番号の記載がありませんので予めご留意のほど宜しく御願い致します。