箔押しってなんですか?

革の表面に、箔を転写する方法です。


一般的には、「はんだごて」や「ホットスタンプ機」等の加熱器具を使い、箔押し加工を施します。


またこの際に用いるのが、専用の『箔押し用ホイル』です。


この加飾シート(箔)の表面には、粘着材が敷かれている為、一定の温度(約110℃)で加熱した刻印で加圧する事により、印面に沿って箔を転写する事ができます。

「箔押し」と比較的”相性が良い革”は、表面が滑らかな革や、シュリンク系で、且つ柔らかい革となります。


また型押しとは異なり、素材が固く、ハリのある植物タンニン鞣革でも、表面が平らであれば、ホットスタンプ機を用いて箔押し加工を施すことができます♪


一方、硬い素材で、深い溝(シワ)のある革には不向きです。溝の奥に箔が転写されない為、表面の箔が割れてしまいます。また既に型押し加工が施された革も同様に不向きです。

はんだごてとホットスタンプ、どちらが良いですか?違いも教えてください。

はんだごてはコンパクトで、持ち運びも楽です♪

そして最大のメリットは、ホットスタンプのように、作業台に加熱器具が固定されていない事です。

その為、「大きいも」のや、「すでに仕上がったもの」で、ホットスタンプでは加工しにくい箇所へ加工する際にお使いいただく事ができます。

また、直立に真下へしか圧力が加えれないホットスタンプと比べ、はんだごては角度をつけて多方向から圧力を加えることができます♪

一方で、はんだごてには、いくつかのデメリットもあります。

はんだごては筒状の為、刻印の大きさによっては、温度調整が必要となります。

YLT-HS01(はんだごて)の場合、コテ先は直径38mmです。

その面からはみ出るサイズの刻印を取り付けると、どうしても、はみ出た部分から熱が奪われる為、高めに温度設定するなど調整が必要となります。

また腕を使ってスタンピングを行う為、定めたところにうまく加工が施せるよう、繰り返し練習する必要もあります。

一方で、卓上ホットスタンプ機(YLT-SP01)には、広い面の加熱プレートが付いており、この鉄製のプレートに刻印を取り付けてご使用頂きます。

また加熱プレートは横幅13cm x 奥行き10cmと広範囲の為、比較的大きな刻印(金型)も取り付けていただくことができます。

大小異なるサイズの刻印と取り付けても、はんだごてのように温度差が生まれない為、余計な温度調整が不要となり、また均一に効率よく熱を伝える事ができます♪

ホットスタンプは、作業台と加熱プレートが、支柱と一体型になっている為、定めたところへ正確に加工を施す事が出来ます。

また『同じ位置へ繰り返しスタンピング』が行えるので、加工ミスも防止でき、はんだごてと比べても効率よく作業を進めることができます♫

更に、オプションパーツを取り付けることで、様々な場面で、用途に合わせてスタンピングを行うことができます。

『箔押し』のやり方について教えてください。

革・紙へ箔押しを行う場合、同じ位置に二度押しができる、卓上ホットスタンプ機のご使用をお勧めしております♪

ホットスタンプをご準備いただき、加熱プレートに刻印(真鍮製)を取り付けます。

ホットスタンプの作業台に、レザー・紙を固定します。

加熱プレートの温度を110°に設定します。

一旦型押し(2~5秒)をします。※箔を乗せない状態で加圧。

箔を乗せ、箔押し(1〜2秒弱)をします。※箔を乗せて加圧。

【ポイント】
ポイントは、箔押し前に、一度「型押し」を行う事です。
箔押しを行う前に、接地面を整える事で、箔を乗せて捺した時に、転写しやすくすることができます。

また一度目の型押しによる余熱が接地面に残っていることから、箔に付いた接着剤が素材に接着しやすくなります。

印面積が大きい刻印につきましては、箔押し時により圧力が必要となります。そういった時は、ゴムシリコン製のマット(印鑑マット等)を敷くことで、裏面からも均一な圧力を加えることができます。

箔がうまく転写されません。なぜですか?

特に、以下の様な要因が挙げられます。
①温度調節機能が無い
②刻印に十分な熱が行き渡っていない
③圧力が足りない
④素材が不適合



①温度調節機能が無い
箔押しの適正温度は110℃程度となります。その為、温度調節機能が備わっていない加熱工具を使用すると、刻印の温度が低すぎて箔が転写されなかったり、反対に温度が高過ぎて箔が焦げ付けてしまう場合があります。
必ず温度調節機能が備わった加熱工具を使用し、刻印の温度が110℃周辺に達していることをご確認ください。

②刻印に十分な熱が行き渡っていない
例えば、はんだごてを使用する際、たとえ設定温度が110℃であっても、コテ先の面積より刻印が大きい場合は、刻印自体が設定温度に達していない事があります。
特に、大きい刻印の場合は末端にかけて温度が低下する為、設定温度を上げるか、それでも刻印温度が満たない場合はホットスタンプ機等、刻印全面に熱を伝えることができる、加熱プレート付き器具等のご使用をご検討ください。

③圧力不足※刻印の表面積が広い
刻印の温度が設定温度(110℃)に達していても、うまく箔が転写されない場合があります。
特に大きいサイズの刻印は、小さい刻印と比べてより圧力が必要となります。
そのような場合は、素材の下にゴムまたはシリコン製のマット(印鑑マット等)を敷いてスタンピングしてください。裏からも一定の圧力がかかり、仕上がりが改善されます。

④素材が不適合
表面が荒く硬い革や、深いシボ(シワ)がある革、また段ボールなどの内部の構造が特殊な紙は箔押しには不向きです。また「箔」と相性が悪い素材が稀にあります。

紙へは箔押しできますか?

卓上ホットスタンプ機(YLT-SP01)を使い、厚紙等へ箔押し頂けます。


YLT-SP01をご使用頂く場合、基本、厚さ0.3mm程の厚紙であれば、綺麗に箔押しを施すことができます。


一方でコピー用紙(0.09mm)など、厚さ0.1mm程の紙の場合は、素材が薄い為、圧力のかけ度合いと、押す時間が非常に難しくなります。


※圧力をかけすぎて紙が破れたり、また逆に圧力が不足していると、箔が綺麗に転写されない事があります。


付属のゴムマットをご使用頂くことで、比較的上手く箔を転写する事はできますが、熱がゴムまで浸透して紙にくっついてしまい、剥がすときに紙が破れてしまう事があります。


よって、紙へ箔押しをされる方は、ご使用される紙の厚さが0.3mm程度ある事を事前にご確認しましょう♪